前置き
最近カネないので新しいものを全然買えない。
物が買えないとブログも書き様がない。書き様がないではしょうがないし無くてもひねり出すのが大人だと思うので書こうと思う。
というより全然書いてない間も微妙に数名の方が見てくださっている様だし、この前再開したら新しく読者になってくれた人もいる。
書いてない間は他の人のブログも全然チェックしていなかったのでここ数日でいっぱい読んだ。いきなりスターいっぱい付けてごめんなさい。自分がやられたらたぶん気持ち悪いと思うので謝ります(笑)
という感じで人の文に触れたりして書きたい気持ちが出てきたので無理やり書くようにする。
で、よく考えたらタイトル変えて色々他のことも書ける様にしたんだと気づいたので新ジャンル投入することにした。
ありきたりでつまんないけど「好きな言葉」にしようと思う。
カネはかからないしある程度普段から意識していることなのでネタに困らないと思うしストックもある。
あと、最近出会った人で、好きな言葉を延々と列挙してくる人が居て、と言っても意味ではなく語感のことで共感できなければそれで終わりな会話ではあったが。その人に刺激を受けて言葉をもう一回見つめなおそうみたいな機運が高まっている。
でもこればっかりになると心病んでる臭がすごくなって読みたいブログではなくなると思うのでほどほどにします。
で、一発目は何にしようか風呂に入って悩んだけど頭洗うのに頭からシャワー浴びたら飛んでいってしまったので今から選び直し。
記念すべき一発目
というわけで五分ほど考えて、一発目は夏目漱石の小説「吾輩は猫である」からのこの一文。
天下に何が面白いと云って、未だ食わざるものを食い、未だ見ざるものを見るほどの愉快はない。
もうすごく当たり前過ぎて馬鹿かと思われるかもしれないけどこんなことを飼い主の家周辺しか知らない猫に言わせる辺りがステキ。そして漱石自身胃弱で気むずかしい人だったみたいなイメージを打ち破る名言だと思う。ほんとは楽しい人だったんだと思える。数年前にNHKがやってた「坂の上の雲」に出てきた漱石は若かったからか割と活発な設定になってたけどあれが実情に近いんじゃないかと思う。個人的には。
小説家でもない私の勝手な意見だがこんな言葉、小説のキャラクターだからといってなかなか言わせられないと思う。しかも猫とは言え主人公であり、「吾輩は猫である」なんて読んでみればわかるが小説というより日記みたいで、そういう意味では著者の普段の考えが割とストレートに出てるんじゃないかと思う。
漱石論をやるつもりじゃなかったんです。
私は基本的に「真実だ」と思える言葉を収集している。今まで気づかなかったけど世の中よーく見たらこうだろみたいな言葉に救われる。
ので、この一文が好きな理由もまず真実だと思うから。
そしてこの言葉によって自分のやっていることが是とされた感覚があったから。
人を励ます言葉だと思う。言い過ぎか。
特に何もできない、歴史に名を残すような人ではなくても旨いもの食って珍しいもん新しいもんに触れてたら人生楽しくやっていけるんじゃないの?というメッセージを受け取った。勝手に。
と言うよりこの文それ自身が楽しい。
生きるってこういうことだ。
そして働くってこういうことを人にもたらす為にやることで、だから自分も生きる許可をもらえる=お金もらえる。
ちいと考えすぎてめんどくさい気がするな。
「吾輩は猫である」は長いし全編楽しいわけではなくて正直全部読むのはだるいです。小学校の頃私は2回挫折しました。知らないおじさんの日記を読まされてる気分になるのでぼーっと何も考えずに文字を追ってて苦痛でない人や当時の雰囲気とかに興味がある人以外は最後まで読めないと思います。
面白いところだけピックアップした「吾輩は猫であるLite」みたいのがあればもっとみんな読むと思う。あるかもしれないが。すでに読み終えた私にそんなものを探す気力はない。
漱石の著作にはこういうリズムが良くて尚且つ言い得て妙な文がけっこう多いので今後も何度か登場するだろうと思います。
ちなみに単体をKindleで読むならゼロ円です(笑)
もともとゼロ円の青空文庫の寄せ集めでカネ取られるのはシャクかもしれないけど200円で全集的なものも手に入る。